加賀市大聖寺駅前のアパホテル

 代掃除駅前のアパホテルの構造設計も田村水落設計事務所が担っていたことが判明したらしいいです。県内でも6物件に関わっているとの報道です。お隣の富山県設計事務所なので6物件ならむしろ少ないというべきではないでしょうか。まだ再検証が行われていないのでなんとも言えないのですが、偽造の可能性のある物件が地元に存在するという事実が、僕達にとって姉歯事件から始まる一連のこれらの事件をグッと身近にしたように感じます。いずれにせよ、姉歯も田村水落も僕たちに十分起こりえる事件だということでしょう。

 話は変わりますが、報道などで気になる点があります。その表現のわかってなさです。例えばネットのニュース等では「柱と梁を補強する筋かいの存在を確かめるため京都のホテルの調査を実施して、、、、」などと書かれていますが、筋かいは柱と梁を補強するためのものではないのです。それ自体が非常に需要な構造体です。筋かいは地震時の水平力を負担するのです。このような表現からでもマスコミのわかってなさがよく現れています。難しいから解らないのではなく、基本的なことが専門的なのです。でも調べればすぐにわかることです。マスコミがこの程度なので一般の人達の知識は推して測られます。

 確かに、一般の人が筋かいを構造力学的に理解する必要は無いでしょう。しかし、少しだけでも好奇心を発動させて、なぜ建築物が地震に耐え得るのだろうか、くらいを思って調べてみればずいぶんといろいろなことが判ることと思います。今はネットがありますから。結局、そうやって得た知識が悪徳業者等から自分を守ってくれますし、自分の好奇心や探究心みたいな所が自分自身の住む建物の安全性を確保するのではないかと思いました。