耐震評定委員会

 県や市が保有する建物(具体的には学校や病院など)は耐震診断や耐震補強をする場合には評定委員会で方針や設計を発表しお墨付きを得なければいけません。委員の方達は大学の教授や実務の専門家なので質疑応答はかなり厳しいと聞いていました。基本方針自体を却下されたという話も聞いたことがあります。

 その評定委員会に付き添いで連れて行ってもらいました。朝の9:30〜18:00まで掛かりました。。。僕は一切質疑には答えていないのですが、疲れました。それでも今日は委員の方の機嫌も良かったようですんなりと進んだと言われて驚いたのですが。

 自分の現在のレベルと委員の方達とのそれとの差が激しすぎて、今現在の生き方では正直追いつける気がしませんでした。もちろん、県内でも優秀の人達なので委員に選出されているわけですが、やっぱり理解している事の懐が非常に深いと感じました。その人が人生の多くの時間を真剣に取り組んできたという積み重ねを感じました。プロとは凄いもんだと肌で感じられて本当によかったです。一言で言えば仕事に「真摯」なのです。「こんなもんでいいんちゃう?」とか「邪魔くさいなぁ」とは対極の態度を感じました。その態度に接した時に僕は正直に「これは自分には無理だなぁ」と思いました。同時に僕の興味は建築設計であって建築構造ではないのだなとわりとはっきり自覚できましたし、同じくらい構造設計を最低限モノにしないと前に進めないとも思いました。

 今すぐにでも他の建築設計事務所に移籍すればいいのではないかと過去から何度も思っていましたが、その度に心に何かが引っかかって行動に移せませんでした。それが最近ではわかってきたのですが今日の評定委員会ではっきりとしました。僕は構造設計を修めたいのだと。その上で心置きなく建築設計に進みたいのだとわかりました。目標がはっきりしました。評定委員会で発表できる位の実務能力を持つことです。全てはそれからです。