学生の頃、SANAAイリノイ工科大学案にとても憧れて一度だけ真似して自分でも設計してみました。SANAAの建築はいかにもさらりとできているかのようなものが雑誌に載るので、何も知らない学生が真似てみたくなるのかもしれません。で、やってみると、これが一向にまとまりません。まとまる気配すらない。敷地形状から導き出される、ほぼ敷地の形と相似形の一層のボリュームの中で設計条件を満たす適切な面積と隣接関係を持った室を配置するのは容易でありませ。やればやるほどSANAAの凄さがわかります。パッと見ただけでは見えてこない、あの例の単線で描かれるシンプルな図面からでは読み取りにくい、膨大な時間のスタディの結晶が見えてきました。これは、、、凄いな、、、とガックリしたのを覚えています。
結局はなんとか無理やりまとめて猿真似で終わりましたが、図面はただ見ているだけでは何も解らないのだなと本当に勉強になりました。ついつい沢山の本や雑誌でいろいろな建築を解った気になってしまいますが、多くを知ることが必ずしも良いことではなく、自分が設計をするために何をどのように知るかの方が大切なのだと思います。