http://www.kaguraoka.info/report/man/man18.html
http://www.kaguraoka.info/report/man/man18_2.html

改めて見ると、全ての素材が靭性の大きいものだ。竹、藁、土、木、紐。
建築を更正する全ての要素が地震時の水平力を少しずつ摩擦とめり込みとクリアランスで負担する。
よく出来てるなぁと思う。ガチガチのRCとは180度違う考え方だ。
新耐震以前の建築は姉歯物件より危険だなどと言われるが、それは強度だけの話で、靭性的に見ればむしろ減少している。
硬く耐えるか、柔らかく受け流すか。性能の違いでなく、方法の違い。
昔の建築は建物を構成する全ての部材がちょっとづつ変形や逃げをとることによって力をうまく受け流している。柳に風。
法はその志向する方向性の範囲でしか評価できないということだ。少なくとも現在は強度指向型だ。
今後は計算環境の進歩によって「多要素が少しずつ力を負担する柔わかい構造」が発達していくように思う。
ただ、その評価は難しい。再現性がどのように担保されるかというのもまた難しいだろう。
どちらが良いというのでなく、どちらもその良し悪しがある。状況に応じて選べることが大切だろう。
(鉄骨造やRC造は補強は出来るが、躯体自体をメンテナンスして耐力を向上させたり刷新させたりは出来ない)
地震は必ず余震を伴うから一発目に耐えれば良いというものでは決してない。複数回は同程度の余震が起こる。
生命の安全、そして財産としての価値の毀損を防ぐことが目的なのだから。今後の大きなテーマになると思う。