http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2006/03/14/index.php

あんまり温存ばかりしていると、いざというときに使えなくなるものもある。たとえば、瞬間接着剤なんか、かちかちに固まってしまって、「これはなんのゴミに出せば良いのだろう」と頭を悩ませるだけの代物になる。模型のキットも温存しているが、明らかに残りの人生ですべてを組み立てることは不可能だ。そういう人は沢山いると思う。
 自分自身を温存している人も多い。温存したまま死んでしまう人も多いだろう。きっちり使い切るのが良いというわけでもないし、出し切ったりしたら、そのあとが出涸らし人生で困るし。ようするに、自分自身の使用期限が不明確である点が判断を難しくしている。人生は賭である。しかし、宝くじよりは期待値が高いだろう。

プロは、アマチュアでも確実にできる方法で作り、アマチュアはプロでも難しい方法で作ろうとする。
 これはつまり、工作において、上級者ほど、用意周到な手法を用いる、という意味である。たとえば、わざわざジグを作ったり、固定するための道具を多用したり、きちんと測定し、確実な方法を選ぶ。初心者は、勘や器用さに頼ったアクロバティックな方法で作ろうとして、多くは失敗をする。
 実に名言である。研究を見ていても、学生の方がアクロバティックな手法を選択する。ベテランになるほど、一歩一歩ゆっくりと進む。たぶん、小説もそうだろう。気分がのっているときに、直感に任せて一気に書く天才的でアクロバティックな手法は、アマチュアのものといえる。

・鋭い!!