「良いデザインは模倣する。模倣に対する態度はしばしば一巡する。初心者は知らず知らずの うちに模倣する。そのうち、彼は意識的に独自性を出そうとする。最後に、独自性よりも正しくあることがより重要だと気づく。気づかずに模倣することは、ほぼ間違い無く悪いデザインをもたらす。どこから自分のアイディアが来たのか知らない場合、 たぶんあなたは模倣者の模倣をしている。」ハッカーと画家より

焦って表面の派手さばかりを追っているときにはほとんどの場合、模倣者の模倣をしていると感じて読んでいて「ドキッ」とした。時間に追われぎみになると雑誌か何かからちょうど良さそうなものをチョイスしてちょっとだけ自分流にアレンジして終わりみたいなことになりやすい。雑誌に載っているくらいなんだからきっと良いと認められているものなんだろうと完全に思考停止してしまう。たしかに雑誌の編集者は良いと認めたかもしれない(現実はいろんな力学があると思うけれど)けど、自分は良いとも悪いとも思っていないわけで、自分の判断を雑誌社に依存しているに過ぎない。このような態度のモノ作りは最低だ。とにかく見栄えを稼ぎたかった学生時代はこんなことばっかりしていたように思う。逆に、本を読んだり、いろいろな建物を見に行ったり、旅行したり、自転車でいろいろな街を走ったりして、その時に心が感じたことをちゃんと自分の頭で考えて整理した事から導き出されたアイディアは良くも悪くも自分のモノだなぁと感じるし、この感覚こそ何かを作る時に一番大切にしないといけないのかなと最近よく思う。