鈴木大拙


モダニズムと施工精度の最高到達点。
それほど。心の中にすっと空間だけが入ってくる。
決して広くない空間に広がって抜けていく空気。

ただの建物と建築作品は全く違うモノだよ、と言われてるようだ。
建築の裏側に設計者が透けて見える。

目地を合わせること。型枠とPコンのズレを許さないこと。色を統一すること。
石を美しく貼ること。アスファルトを丁寧に施工すること。

それらが当然の事として成り立っている。
やってみるとそれら一つ一つがいかに難しいかわかる。
しかし、だからこその緊張感あふれる空間。

雪の降る日、楽しみな空間だ。

佳境をむかえる

構造設計が佳境に入った。締め切り前は、とにかく集中力が必要。全ての部材を把握しないといけない。
なぜなら、部材の接合部こそが重要だから。解析上は接合部で破壊しないが、現実では部材が破断するなんて無い。
壊れるのはいつだって人が作った所から。つまり接合部から。
全てを把握していないと接合部を安全に設計できない。
作りにくいモノはやはり弱くなりやすい。

Yチェア

実用的でかつ美しい椅子というのは少ない。
価格的にも優れているとなるともっと少ない。
Yチェアは両方とも満たす数少ない椅子と思う。

今日、初めて座ったけど、少しだけその思いが揺らいだ。
ただジェネリック品だった可能性もある。

構造設計

ここ1週間くらいは構造設計をしている。
元々はこちらが専門だったが、夢を追って意匠設計に転身を計り3年くらいが経った。
それでも時間が合えば構造も設計している。意匠設計では、頭の中に常に人の生活や行動を描きながら進めるが、
構造設計ではそれが地震力や変形に置き換わる。

断熱

冷たい一日。あられと雨が交互に降ってきて現場が寒く、風が辛い。
この時期になると、高気密高断熱の話をよく見聞きするが、多くの設計者が高気密化するのに躊躇しているように感じられる。シックハウス等の問題も絡んできてややこしい。

ならば、高気密は現状のままとし、高断熱化を進めるのがいいのではないかと思ってみたり。
私も高気密化した住宅というのは抵抗がある。しかし、断熱を十分に施せば少なくとも熱貫流率は低くできる。

温熱環境の問題は目には見えないため建築家のネタになりにくい。本当の建築家として生きるのであれば逆にそれは正しい。新しい空間の追求が彼らの仕事だし、それを期待されている。

私はもう本当の意味での建築家にはなることは無い。よって私にとっては大きな問題となる。

もっと勉強が必要だ。