金明小学校と湖北小学校

田舎の市で珍しく、全国のオープンコンペで行われた小学校の改築。二つの小学校でほぼ同時にコンペが行われた。
審査委員長は安藤忠雄氏。一つは東京の設計事務所(大学の先輩)。もう一つは地元金沢市設計事務所
どちらも竣工から5年を経て改めて訪れてみるとその違いは歴然。
金明小学校は東京の事務所らしい設計で、石川県特有の降水量の多さを考慮に入れておらず雨水の処理が非常に下手。
結果竣工後5年とは思えないほど外壁に汚れとひび割れが発生しており、汚らしい印象。外壁素材も疑問が残る。
あと10年もしたら汚くて見れないのではないか?
ただ校庭に面して開放的な回廊を巡らせる構成は夏期のアクティビティには適しており魅力的な半外部空間。
一方湖北小学校は地元の設計事務所らしい分厚いRC建築。冬期には9割が雨か雪が降る北陸の気候に適した堅牢な構成。
閉じがちなRC一文字型建築を教室前の大きなバルコニーと庇で外部空間を活かし、屋上を解放させることで解決している。

コンペの難しさは案の善し悪しで選ぶために設計事務所の経験が盛りもまれないという点だ。
それを補うためにその地域に適した納め方を義務づける方向には向かわないのか?
設計者の責任のみに任せるのではなく設計期間を長くとりきっちりと議論をしていくべきではないか?